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瞼越しの光で目が覚める
昨日までの鉄と腐敗が混ざり合った、朝も昼も関係ねぇような空間じゃねぇ
肌に直接触れる金属は感じねぇし、寧ろ……懐かしい感触の
慣れ親しんでいたはずだった、布の感触だ
中々開けられない瞼には諦めて、ゴロリと体を自分で転がせばうつ伏せの状態になって息がしづらくなった
仕方がない、体は起こそう
今日は何曜日だったか、学校だとしたら今日も透明人間なんだろうか
手をついて体を起こせば、目に入るのは包帯だったりが巻かれた自分の手指
寝ぼけた自分の目はその情報を正しく理解してくれなくて、足を地面におろして立とうとしたとき
「いっ……!!」
感電したかのように痛みが全身を駆け巡って、倒れ込む形でベッドにまた座り込む
その痛みでぼんやりしていた意識が戻り、周囲を見渡せば全く慣れない、昨日来たばかりの空間であることを認識した
「………あぁ」
どうやら、現実と夢を間違えたみてぇだ
この体ではベッドで寝たことなんて、ただの一回すらねぇはずだけど……
前世の記憶が反応でもしたんかな。
今となっては非日常にしか見えなくなった過去の日々を夢で見るとか……
……自分で自分の精神傷つけてるとか、何してんだよ
頭がようやく回り始めてきて、昨日の事を思い出す
なんか、色々あって…フューラー様にエニスのついでに買われて……
何故だか手当やらなんやらをして貰って……
で、えっと……トントン様がこの部屋に案内してくれたんだっけか?
大まかなことは覚えてるけど……食事のときと、部屋を案内されてからの記憶がちょっとだけ、ぼんやりしてんな
たしか……、あぁそうだ
部屋に案内されたきり、何かをされる事も無く、何かを言われる訳でもなくて
この部屋の中で自分はどの位置で、どんな風に存在してればいいのかが、イマイチよく分かんなくて……
食事のことも相まって、大分頭がこんごらがってた気がすんな
んで…とにかく訳分かんなくて、普通の部屋では隷属の奴はどこにいるのが一番の最適なのかをずっと探してて
そしたら、医者が来たんだっけか
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作者名:ねっこんこん x他1人 | 作者ホームページ:http://nekokobuta
作成日時:2024年3月20日 2時