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返事に困り、顔を背けてしまう。手の中のカトラリーがじんわりと温い熱を持って、何だか気持ち悪かった。誤魔化そうと必死に頭を動かすが、良い言葉は見つからない。仮に何か苦し紛れの嘘でも思いついたとして、口のうまい彼には通用しないだろうということは明らかだった。
"人間の血のことバレるリスク負って、痛い思いしてまで⋯⋯ほんま健気ですね"
昨日のショッピくんの言葉が響く。あの時の私は必死だった。こうして言及を受ける可能性をきちんと考えられていなかったのかもしれない。ショッピくんからすれば、そりゃあ滑稽に見えただろう。でも、彼の言う通りだとは思いたくなかった。あの時死にかけていたかもしれないチーノくんのことを助けたことを、今後悔するなんて間違っている。
『⋯⋯ごめんなさい、言えないの』
私は意を決して、口を開いた。自分の声が震えているのが分かる。
『チーノくんのこと、信用してないとか、そういうわけじゃない。でも、守らないといけない秘密だから⋯⋯もし、言えるかなって思えたら、ちゃんと言うから』
あれ、こんなことを言うはずだっただろうか。チーノくんに対して、秘密を打ち明ける時が来る可能性など、考えもしていなかったのに。彼に隠し事をする罪悪感から、妙なことを口走ってしまったらしい。
チーノくんは、黙って私の言葉を聞いていた。話し終え、彼の表情を伺うように目を合わせると、チーノくんは成程な、と言いながら緩く口角を上げた。
「ええよ、こっちこそ急に変なこと聞いてしまってごめんな。許してくれます？」
『う、うん。気になるのは当たり前のことだろうし』
どうやら一応納得してもらえたようだ。ほっと安堵していると、チーノくんはおかしそうにくつくつ笑った。
「にしても⋯⋯僕相手に必死に言い訳なんてせんでもええのに。信頼されてないことには慣れとるし」
チーノくんは頬杖を突きながら、皿の上のおかずをつんつんと箸でつついた。
「知っとりますよね、ガオナァが詐欺師の家系ってこと。疑われるなんて日常茶飯事や。そんな僕を助けてくれただけで御の字です。それ以上のことは求めんて⋯⋯いや、センシティブなこと聞いてしもた後やから、説得力は無いと思いますけど！」
目の前の彼は、眉を下げて笑った。言葉と表情が乖離しているものだから、余計に切なくなってしまう。何も言えなくなっている私に気がついていないのか、チーノくんはあっけらかんと会話を続けた。
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いらお(プロフ) - お皿さん» ありがとうございます、はてなマークに笑っちゃいました（笑）応援とても嬉しいです、頑張ります！ (2023年3月2日 7時) (
レス) id: 6c40816166 (このIDを非表示/違反報告)
いらお(プロフ) - りうっこさん» 返信遅れて申し訳ありません。ありがとうございます、ストライク取れて光栄です！ゆっくりにはなるかと思いますが、更新した際にはぜひチェックしてやってください…！ (2023年3月2日 7時) (レス) id: 6c40816166 (このIDを非表示/違反報告)
お皿(プロフ) - 陰から応援してる者です...もう、本当に大好きです...ありがとうございます（泣）（？）これからも陰ながら応援させていただきます。頑張ってください!! (2023年3月1日 22時) (レス) @page27 id: 5bd738696b (このIDを非表示/違反報告)
りうっこ - ぶっ刺さりました。ドストライクです… 割と久しぶりの感覚かもです！更新めちゃくちゃ楽しみにしてるので、頑張ってください！！ (2023年2月3日 9時) (レス) @page26 id: 182708b139 (このIDを非表示/違反報告)
いらお(プロフ) - 明日花さん» コメントありがとうございます、すごい嬉しいです！拙い作品ではありますが、明日花さんの性癖に刺さったのでしたら光栄に思います。ゆったり更新してまいりますので、気が向いた時にでもまた本作品を読んでいただければ幸いです！ (2023年1月6日 22時) (レス) id: 6c40816166 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いらお | 作成日時：2022年12月28日 16時
