case21.お化け屋敷(rbr) ページ32
rbr
「いや゛あああああ！！」
彼と遊園地に来たので一緒にお化け屋敷に入ってみた。
あなたにとってお化け屋敷なんて所詮人間の創作物、おどかされようがなんだろうが、特に何も感じない。
しかし彼はそうもいかなかったようで、仕掛け一つ一つに律儀にびびり散らかしている。
「こ、こんなん全然怖くないんやからな、怖くな……あ゛あ゛あ゛ーーーっ！！」
自分だって「天」なんて書いた布をつけてお化けみたいな格好している癖に。
あなたはお化け屋敷よりもこのびびりように恐怖を感じる。あなたがナンパ男に絡まれたときの威勢はどこへ行ったのやら。
『……びびりすぎ』
「は、はぁ！？びびってへんし！びびってへ……え゛え゛え゛え゛え゛え゛ーーー！？」
濁った叫び声を発しながら、あなたの腕に縋り付く。
彼の声はただでさえうるさいのに、耳元で叫ばれては鼓膜が振動に耐えられない。
「※☆▲×！Ω？〜〜！？！？」
もう最早何を言っているのか判読不可能なレベルにまで到達してしまった。
彼の声にお化け役の人が吃驚してしまっていたので、あなたは申し訳無さそうに会釈した。
「まって、何やこいつ！！やめろぉーーー！！」
『はぁ……』
怖がり過ぎて座り込んで、動けなくなった彼を見て、あなたは呆れてため息をつき、足早に先へ進んだ。
「待って、A！」
『うるさいから先行くよ……きゃっ』
気を抜いて進んでいると、お化け役の人と衝突してしまい、不覚にも尻もちをついてしまう。
「A！」
先程まであなたの遠く後ろにいた彼の声が耳元で聞こえたかと思うと、彼があなたを前から抱きしめていた。
「大丈夫やからな、俺がおるから……！怖ない怖ないっ」
別にあなたは怖がってはいないし、プルプル震えながら言われても全く説得力が無いのだが。
あれだけ怖がっていた彼があなたのピンチと思ったときにはすぐに駆けつけ、身を呈して守ろうとしてくれたことに不覚にも愛おしさを感じてしまう。
「俺が……守るから……っ」
ぎゅうっとあなたを抱く力が強まって、あなたの拍動は速まっていった。
『ね、もう大丈夫だから……』
さっきから一連のやりとりを見ていたお化け役の人と目が合って恥ずかしいのだ。
「大丈夫やでAっ……」
あぁ駄目だこれは完全に聞こえていない。
『……んもぉ』
あなたは羞恥で頬に熱を集めながらも、彼の勇気に免じて彼のさらさらな焦げ茶色の髪をなぞるようによしよしと撫で、ぎゅっと抱きしめ返した。
Request8.耳舐め(tn ver)→←Request7.床ドン(tn ver)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 332人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
緑黄色野菜(プロフ) - キルさん» 喜んで頂けて嬉しいです〜！！書くの凄く楽しくって！リクエストありがとうございました！これからも頑張ります！ (5月11日 6時) (
レス) id: ae06c5e6e2 (このIDを非表示/違反報告)
キル(プロフ) - リクエスト書いてくださりありがとうございました！最高すぎました！想像していたものより何倍もすごくって、かっこいいっっ！！ってなっちゃいました！わたしピンクなのめっちゃ好きなので、めっちゃ嬉しいです！これからも更新応援してます！ (5月10日 23時) (レス) @page37 id: db14baf272 (このIDを非表示/違反報告)
緑黄色野菜(プロフ) - あくのさん» わぁ、ホントですか！？よかったぁ！！ちょっとやりすぎたかなと不安になっていたので喜んで頂けて私も嬉しいです！ (5月3日 17時) (レス) id: ae06c5e6e2 (このIDを非表示/違反報告)
あくの(プロフ) - ドロドロいいですね...！！！ここまで甘いお話書いてくださる方があまりいないのですごくうれしいです！！ (5月3日 13時) (レス) @page33 id: f9355a1561 (このIDを非表示/違反報告)
緑黄色野菜(プロフ) - りずさん» リクエストありがとうございます！可愛いお話だなんて、嬉しくて嬉しくて(照)甘さマックス、挑戦させて頂きます！ (5月1日 0時) (レス) id: ae06c5e6e2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：緑黄色野菜 | 作成日時：2024年3月25日 0時
